ダイエットスーパー店長です。 元外資系サプリメントメーカー勤務のダイエットスーパー店長として、一般的にあまり取り上げられない話を書いています。 今回は第1話、第2話の続き、最終の第3話です。※第1話の記事はこちら、第2話はこちら この記事を書いている目的ですが、元々外資系サプリメントメーカーにいた身として、注意喚起を含めて正しい情報を知ってほしいと思っています。読んでくれた方はプロテインやサプリメントを飲まれている方や興味がある方だと思いますので少しでもお役に立てたらいいなと思っています。 第1話では栄養成分表示は2つの方法があること、第2話では数字が合っていないことを書かせていただきました。事実を知ってがっかりされた方をいらっしゃったと思います。 今回第3話ですが、そんな皆さんをさらにがっかりさせるものかもしれません。それはプロテインなどの食品の栄養成分表自体が±20%の誤差があります。 もはや「???????」となりますが、これは法律で認められています。 なので、仮にタンパク質20g含有と、表示しているプロテインがあったとして、実際はタンパク質が16gしか入っていなくても問題にはなりません。 これは消費者目線だと絶句する内容だと思いますが、業界では当たり前なんです。良いとか悪いとかそういう訳ではなく、業界としては「できない」というのが本音です。 天然の素材を原材料として使用したプロテイン、サプリメントは、栄養成分の均一化が出来ない 第2話の中で、原材料として天然の素材を場合はその素材の産地や品種などによって栄養成分が変わる事をお話させて頂きました。 もし消費者の方が求める様な、 栄養成分は均一 味も均一 内容量もピッタリ を実現しようとなると価格は何倍にも跳ね上がりますし、いくらコストをかけても上記の様な均一の製品は作れないと思います。その理由としては、大きく分けて2つあります。 1つ目は先ほど書いた通り、天然由来の原材料を使用してるからということ。仮に100%均一な製品を作りたい場合は全ての原材料を科学的に合成した物を作るしかありません。 2つ目は工場などで大量生産を行う工程上、多少の誤差は発生します。業界や業種によってもマチマチだと思いますが、製造の現場において、おおむね+-5~10%程度の誤差については許容されていることがほとんどです。例として、原材料が3つあるホエイプロテインがあったとします。原材料はホエイ、乳化剤、甘味料だとします。 仮に1つ目の原材料(ホエイ)が10%多く、原材料2(乳化剤)が10%少なく、原材料3(甘味料)が5%多かったらどうなるでしょう?風味が変わってくると思います。しかしこの例だと製造の誤差の範囲に収まるので、問題の無い製品として流通します。さらに、原材料1のホエイの産地が違うものだったら?乳化剤や甘味料の純度が低い物だったら?さらに3つの原材料を攪拌する際に均一に混ざっていなかったら?どうなるでしょうか。容易に想像が付くと思います。 では一切の誤差を許容せず、完璧な栄養成分内容で寸分の狂いもないプロテインを作ったら...? そのプロテインは、メーカーが考えた完璧な栄養バランスで、量は精密に管理され、誤差はありません。そして表示されている栄養成分は毎回分析を行っていて完璧な品質です。そのプロテインの価格は従来の3倍の値段だとします。果たして売れるでしょうか? 結論として、売れないと思います。もしかしたら購入する人もいるかもしれませんが、ごく少数だと思います。これはありえない例えですが、仮に価格が3倍だけど効果が3倍あるプロテインがあったとします。それであれば購入する人は多いと思います。なぜなら同じ時間をかけて3倍の効果を得られるからです。もしそんなプロテインがあったら私も欲しいです 笑。 しかし、今回お話している正確な成分表示を行っているプロテインにはその様な効果はありません。となるとあまり売れずに在庫となり、やがて賞味期限が来て廃棄になると思います。結局のところは需要と供給の話になり、「まあ、栄養成分表示が多少違っててもみんな買ってくれるからいいよね。」となります。 先ほどの例えの「効果3倍のプロテイン」は需要が存在すると思いますが、「効果は同じで栄養成分表示が正確なプロテイン」は需要が存在しているか微妙です。 結局のところメーカーも商売として成り立たないとやっていけないのが実情です。たくさんの不確実性を許容し、その積み重ねで出来ているのです。 設備を投資して精度を上げても、ある程度の誤差を許容しないと製造業は回らない 今回のお話のまとめ 基本的にプロテインやサプリメントは、 ・製造ロット毎で、内容量、栄養成分比率が違い、+-20%まで許容範囲。 ・味も毎回違う。 という事を分かった上で、消費者は賢く選択をしていく必要があると思います。 私の経験上、数値に縛られると盲目になってしまう事が多いと思います。しっかりとカロリー計算を行い、摂取カロリーより消費カロリーが上回っているのに痩せない...。などです。これは、基礎代謝自体が落ちてきている場合や運動時の消費カロリーが想定より少ないなど、様々な理由が考えられると思いますが、今回お話させて頂いたプロテイン、サプリメントの栄養成分表示があてにならない事も関係していると思います。栄養成分表示があるのはプロテイン、サプリメントだけではなく、口にする食品全てに言えることです。 対応策として、数値ばかりに気を摂られず、ご自身の身体の様子をよく観察されることが一番間違いが無いと思います。本人にしかわからない事なのですが、だからこそ身体の反応に気を付ける事で正しい判断が行えると思います。 いかがでしたでしょうか? この記事が皆さんの新しい気付きや目標の達成の力になればとてもうれしいです。今後も様々な情報を継続して書いていこうと思いますので、コメントなどがあればぜひお願いします。記事の続きが気になる方、あまり表に出ない情報が知りたい方はSNSをフォロー頂ければ、SNS上で最新情報をアップしていきます。 お読みいただきありがとうございました。
1件のコメント
SNSで気になったので、詳しく内容を読ませていただきました。元メーカーの人のお話はタメになりました。思い込みに注意します。